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研修会場選定のポイントは?

人事担当者や研修の事務局担当者が意外に悩むのが、研修会場選びの問題です。
基本はホワイトボードがあってプロジェクタが使える会議室、ということになるのでしょうが、広さや設備等、色々な検討事項がありそうです。
「研修会場はどこを選べばいいのか問題」について何か基準になる考え方やセオリーがあるかというと、これも私は寡聞にして知りません。
ですが、これまで多くの研修会場で研修を担当させていただいた講師の立場からすると、いくつかポイントになる要素はあります。
研修会場の選定には下記の4つがポイントになると考えていいようです。

①会場の費用
②会場の場所
③会場の設備
④会場の広さ

①会場の費用

研修には受講生と事務局の給与、講師の外注費用(社内講師だとしたらその人の給与)、それぞれの交通費や宿泊費、そして会場の費用等のコストがかかっています。
その中で、基本的に会場のコストは抑えたいという意見が多いと思いますが、上述の②~④の要素を充実させなければならず、費用とのバランスが求められるところです。
とにかく安いことを優先して押さえて受講生に窮屈な思いをさせてしまい、満足度を下げてしまうのは本末転倒です。
基本的には、②~④の要素で譲れない条件を満たすところをピックアップした中から選ぶのがセオリーと言えるでしょう。

 

②会場の場所

例えば新入社員の合宿研修等、連泊前提で時間にも余裕があって、ある程度みっちり研修を行うのであれば交通の便が多少悪いところでも問題はありません。
しかし、1日研修や半日研修で遠くから移動して参加する受講生がいる場合は、それぞれの交通事情を鑑みて、全受講生の最大公約数的なアクセス条件を備えている会場を押さえるのがベターです。
移動を考えると、駅から近いに越したことはありません。
電車の乗り入れが多くて便利な駅に近い研修会場となると、その費用も高額になりがちなので悩ましいところです。

 

③会場の設備

例えばパソコンを使って操作方法を学ぶ研修であれば、パソコンを受講生の人数分使える環境があるかどうか、LAN回線が使用できるかどうか等が会場選びの条件になります。
また、討議主体の研修であれば、ホワイトボードをグループ数用意できるかどうか、模造紙等で代用するのであれば模造紙を貼れるスペースがあるか等も条件になります。

「机を動かしていいのかどうか」も重要です。
近年の研修はグループ討議を取り入れた形式の研修が多いです。
スクール形式の配置から机を動かせない状態で4人グループを作るのであれば、短時間であれば奇数列の人が後ろを向けば4人グループを組むことはできます。
しかし、5人以上のグループを作るとなると、通路の邪魔になったり、人との間隔が遠くなったりで話がしにくくなってしまいます。

さらに、意外とバカにできないのがトイレと喫煙所の条件です。
トイレの数が少ないとトイレが混雑してしまい、休憩時間が圧迫されてしまいます。
喫煙所が遠かったりすると10分の休憩では収まらないかもしれません。実際建物の中の喫煙場所を撤去してしまって、建物の外で喫煙できるところまで移動しなければならないケースも出てきています。喫煙者への配慮はますます厳しくなりそうです。
このように研修の内容や環境から設備を考えると、会場の設備が必要条件を満たしていることもまた優先順位が高い選定上の条件になるといわざるを得ません。

 

④会場の広さ

会場の広さは受講生の人数によって決まりますが、貸会議室などの研修会場のホームページを見ていると「スクール形式」での最大収容人数が書いてあることが多いようです。
スクール形式は最も面積効率に優れた席の置き方ですので、例えば島形式(グループ形式)で進める予定の研修で「スクール形式で受講生人数とぴったりの会場」を押さえてしまうと人数が収まらなくなってしまいます。
では、スクール形式と島形式の人数はどれくらいの比率かというと、島形式はスクール形式の人数の半分~2/3くらいの受講生の人数で考えた方が良いようです。
会場が細長いのか正方形に近いのか、の形にも注意が必要です。

以上、研修会場の選定についてポイントとなるところを示してきました。条件が一つだとそんなに悩まなくてもいいのかもしれませんが、①~④の条件の全てをクリアさせるとなると簡単ではケースも多いのです。

自社会議室があっていつでも押さえられるのであればそこまで悩まなくても良いかもしれませんが、会議室の不足はどこでもあることで、必ずしも意図通りに会議室を押さえられるとは限りませんので、外の会議室を借りる機会は結構多いものと思われます。
内容によっては社内の会議室だと集中できないので外の会議室を借りた方が良い場合もあります。いつもと違うところで新鮮な気持ちで受講するという考え方もあります。
色々と条件を書きましたが、駅として交通の便が良い駅が最寄りなのにそこまで混雑しない、会場費も安い意外な穴場もあるようです。
また公共団体の会議室(自治体の会議室や商工会、中小企業支援センターの会議室)等は比較的安価で借りることができます。
開始時間や撤収時間に厳しい、設備で最初から用意されていないものが多い等の制約条件があることも多いですが、そうした施設の利用も選択肢の一つとしては良いかもしれません。

未来マネジメントは専用の研修会場を持っておりませんが、もしも研修をご用命いただけるのであれば会場の選定の相談には応じております。
もしも講師派遣で外部の会議室をご利用の際にはご参考にしていただけますと幸いです。

 

このコラムを書いた人:

株式会社未来マネジメント 取締役 営業部長 日吉良介

研修会社、人材開発業界で15年以上にわたり営業、講師、コンテンツ開発に従事している。
研修企画者として「日本にはまだ数少ないプロのインストラクショナル・デザイナー」と呼ばれることを夢見て日々研修の企画に取り組んでいる。
自身の講師としての得意テーマは「営業研修」で、これまでに3,000人以上の営業職が研修を受講している。
趣味は読書、プラモデル制作、フットサル。

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