HOME » 人財育成資料室 » 戦略的営業講座 » 8.マーケティング戦略の立案スキルを習得するために③
マーケティング戦略策定の3大ステップのそれぞれの中身を詳しく見ていきましょう。
私たちのビジネスを取り巻く外部環境を2つの視点で押さえることが必要になります。
マクロ環境
事業の外部環境のうち、企業にとって統制不可能、つまり業界内の各企業とは無関係に起こっているものをいう。例えば、円高や規制緩和などは、企業の戦略策定に大きな影響を及ぼす。また、人口構造などは、ターゲット市場の量的な長期動向を把握する有効な指標となる。
ミクロ環境
企業の事業環境のうち、準統制可能なものをいう。ミクロ環境は、大きく顧客市場と競合に大別される。これらには具体的に、対象となる市場の規模、成長性、競争状況、流通チャネルの構造、顧客動向などが含まれる。
Politics 政治的要因 |
企業経営全般に対する法制度変化、特定事業規正法など特定業界・業種に限定される法令の変化、国内外からの圧力による規制緩和やセーフガード発令など |
Economic 経済的要因 |
マクロ経済の変化。GDP成長率の変化や公定歩合推移、地価動向など全業種に影響を与えるものと、消費者物価指数、民間設備投資動向、人口動態変化など業界ごとに特に重要な要因の双方に注意 |
Social 社会的要因 |
人口構成の変化、ライフスタイルの変化や流行、環境指向などの社会ムーブメントなど、その業種・業界に関連が深い社会的なトレンド傾向や状況を検討 |
Technology 技術的要因 |
ITの進展や新たな基盤技術の開発、生産管理技術や販売管理面での技術的な進展など、業種・業界全体に影響を与えると思われる技術面での革新状況 |
5つの競争要因とは、競争戦略論の第一人者であるマイケル・E・ポーターが提唱した、競争環境を分析するためのフレームワーク。
ミクロ環境を決定する5つの要因とも言われている。
競合他社 | 大手企業の戦略の方向性と、同規模の競合他社について検討を加える | ・同業者が多いか、同規模の競合が多いか ・業界の成長は速いか、遅いか ・買い手のスイッチングコストは高いか ・競争業者の戦略は多様か |
買い手 (顧客・卸) |
買い手の値下げ要求や、品質や性能、サービスに対する要求度合はどの程度のものであるか | ・買い手が集中していて、かつ大量購入するか ・買い手にとって購入する商品・サービスは不可欠か ・その商品・サービスは買い手の総コストや総購入代金に占める割合が高いか ・買い手のスイッチングコストは高いか |
売り手 (仕入れ先) |
売り手は値上げや低品質化などによって交渉力を行使する 買い手の圧力が強い場合に売り手の交渉力は脅威化 |
・売り手が少数の有力企業による寡占状態か ・売り手の業界は買い手の業界よりも集約的か ・売り手にとって買い手の業界は重要か ・買い手にとってサプライ品は重要な仕入品か ・売り手のスイッチングに要するコストは高いか |
代替品 | 現在の商品よりも優れた代替品の出現は、長期的には最大の脅威と考える | ・代替品は、ある商品に対して価格対性能で良くなりそうか ・代替品は、好業績を上げている業界によって生産されるものか |
新規参入業者 | 参入障壁がどれぐらいあるか、参入業者に対して既存業者がどれぐらいの反撃を起こすと予想されるか | ・業界内に規模の経済性は働いているか ・既存企業の商品は差別化されているか ・買い手のスイッチングコストは高いか ・流通チャネルの確保が必要か ・参入に関して何らかの政府の規制があるか |
自社の強み・弱みを把握するということです。
内部環境分析はバリューチェーンを活用します。企業がアウトプットする顧客価値はさまざまな活動の連鎖からなる、という考え方からきています。
バリューチェーンは、9個の要素からなり、これらは主活動と支援活動に大別できます。
これらを基準にして、企業の内部環境を分析します。そして、業界標準や競合企業のバリューチェーンと比較することで、自社の強みや弱みをあぶり出すことができるのです。
《あるメーカーのバリューチェーン例》
もっとシンプルに自社の強み・弱みを把握するためには以下のマトリックスが活用できます。