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10.ルート営業の強化のために③

3.ルート営業に期待される7つの能力

ルート営業への期待は、目先(今期)だけでなく中・長期にわたって担当している得意先をどうしたいのかの「想い」を持って、ビジョンを描き、やるべき仕事は何かを判断して主体的に動いて欲しいところにあります。
そのために、得意先が求めているルート営業像をつかみ、得意先に信頼されるための能力を磨いていくことが必要です。

 

(1)人間関係構築力

ルート営業はダイレクトセールスと違って、得意先との間に継続的な良好関係を持ち続けなければなりません。いわば長い付き合いになるわけですから、良好な人間関係をつくる能力が弱いと気まずい状態になって、互いの業績づくりに悪影響が出てしまいます。
大切なのは、誰とでも親しくなろうという姿勢と意欲です。どの得意先に対しても、そして得意先のどの人に対しても、誠実に親切に、礼儀正しく自然体で接することが大切です。挨拶や声掛けは積極的に行い、誰に対しても気さくに声を掛ける。礼儀正しくかつフランクに自分をさらけ出す。こうした態度が相手の心を開かせます。
また、対話上手になるコツは「話を発展させること」と「うまい質問」にあります。相手の関心事にうまい質問で話を発展させ、その中に自分の率直な気持ちもはさむことがポイントです。
うまい質問は、相手の気分を良くし、いい話を引き出します。話を発展させる方向で、質問力を磨くことが大切です。

 

(2)組織攻略力

ルート営業は様々な規模の得意先を相手にします。自分の組織より大きな組織との付き合いもあるでしょう。この時、一部の責任者や担当者とだけ付き合っている営業は必ず失敗します。
組織の中の力構造を把握し、組織を動かすコツを会得することが重要になります。この力は理論だけでは不十分です。理論を知って実践し、実際に多くの組織に入り込んでいくことで身についていくものです。

 

(3)販売戦略立案力

販売戦略とは「どこの、誰に、何を、どのように」売り込んでいけば効果的かという観点から、とるべき戦略を導き出す方策です。
ルート営業として、担当得意先が「どこを狙うべきか」「どのような方法をとるべきか」「どの商品に重点をおくべきか」などを、常に念頭において活動を展開することが大切です。同時に、競合相手がどのような考えで動いているのか、ユーザーの動きはどうなっているのかなど、細かい動きにまで気を配ることも重要です。

 

(4)情報収集・活用力

ルート営業に今再び求められているのは、自分のフットワークを軽くして、現場のナマの情報を収集し活用することです。特に、伝聞情報を効果的に集めるには、有用な情報を多く持っている人をみつけることです。情報を多く持っている人のところに情報は集まります。自分の足で確かめた情報を提供すれば、そのお返しに新たな情報が返ってくるものです。情報を多く持っている人のところに、情報が多く集まり、人も集まるので、情報ネットワークが形成され、人脈ができていくのです。

 

(5)問題発見・課題設定能力

「得意先にこうなってほしい」「得意先をこうしたい」という自分の想いを明確に持つことで、得意先が抱えている問題や課題を発見できるものです。また、得意先のあるべき姿を描くことで、将来こういう問題が発生するといった推察能力(仮説能力)も磨かれていきます。
目先の業績を追求する視点しか持ち合わせていない人は、いわゆる提案力のないお願いスタイルに陥ってしまい、得意先から敬遠される存在になってしまいます。

 

(6)課題解決策立案能力

得意先が取り組むべき課題が見えてきたならば、得意先のおかれている状況や体制、トップ、ミドルなどの考え方も踏まえて、課題の優先順位づけ、絞り込みを行い、実現可能な解決シナリオを組み立てる必要があります。得意先の多くは、どうしても目先の業績の積み上げに終始してしまいがちですので、課題の解決シナリオの構築は重要な役割となります。

 

(7)折衝・統合能力

自社の強制力だけで得意先を動かすことはできません。ということは、必然的に得意先に提案内容を理解してもらい、行動を起こさせる折衝や統合能力が不可欠なものになってきます。
提案のテーマと実行計画において、得意先のメリットと「こう実行すれば必ず成果を上げることができる」という成果イメージを具体化し、それを得意先との対話を通じて伝え、得意先の納得感と意欲を引き出すことが重要になってきます。

 

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