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10.ルート営業の強化のために①

1.ルート営業はキャリアアップが難しいか?

B to B、B to BCのルート営業においても、2年も経てばほぼ全体のことがわかり、営業として一人前として活動していると判断されるケースがあります。そして、こうしたケースでよく聞かれるのが「この仕事では、これ以上キャリアアップは望めない」という声です。本当なのでしょうか? 

業種業態の違いがあるために一概に言うことはできませんが、「そんな単純なものではない」というのが結論です。実態は表面的な御用聞きセールスでしかないのに、もう一人前という誤認があるようです。得意先の発注窓口を中心にした訪問しかしていない、新商品が出ても得意先に上手く売り込めず簡単に説明してパンフレットや販促資料をおいていくだけ、得意先の責任者や幹部がいても挨拶もせずに帰ってしまうといった行動を普通のようにとっていてもです。

こうした勘違いは、扱う商品のブランド力や商品力が高ければ高いほど、そして取引が長ければ長いほど発生しやすい傾向を持っています。

 

【本欄におけるルート営業の役割】
ルート営業は、担当する得意先との既存取引商品のQ(品質)、C(コスト)、D(納期)対応をしっかりと管理しながら得意先の信用を高め、かつ、新しい商品の提案活動で得意先との取引を拡大しつつ、自社と得意先とが共に成長していく共生関係を築く役割を担っています。


 

そうすると、ルート営業の役割には「3段階の役割」があると考えられます。得意先に対するセールスサポート(=得意先の販売力向上への貢献)、マネジメントサポート(=有力得意先との共生関係の構築)、そして経営サポート(=得意先の経営支援)です。

 

 

加えて、近年のルート営業は得意先管理に留まらず、得意先の先店や川下への営業、場合によってはエンドユーザー向け営業と活動範囲は拡大しています。
いわゆる商流やルートの攻略です。この場合、商流の全体像と各々のつながりを理解することで、「どことどういう関係を築くか」「どこをどう攻略するか」の戦略視点を持ち、「どういう提案活動を進めていくか」の営業活動を具体化する必要があります。
扱い商品によってはルートが複雑になります。扱い商品群ごとに、ルートごとに全体像を具体的に描くことが求められているのです。

程度の差はあれ、ルート営業活動の質を高めることなしに本来求められるルート営業の責任を果たすことはできないのです。

 

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