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テストクロージングとは、営業が商談の中で成約に向けた相手の本気度を計ったり、話が進んできた中で「この話を先に進めていいかどうか」について相手の意思を確認したりする作業のことを指す。
一般的にB to Cの商材や即断即決が一般的な商材の世界では多く見られるもので、テストクロージングという呼称を使っているか、知っているかは別にして広範に普及している商談スキルである。
B to Bの営業でも使わないことはないが、B to Bの商談の場合は社内に多くの関係者がいたり、意思決定までに複雑な経路をたどったりすることも少なくないため、B to Cの営業に比べると活用度合いはやや少ないと言われている。
テストクロージングのトーク例としては下記のようなものが挙げられる。
車の販売の例:
「もしもご購入されるとしたらどのお色をご希望でしょうか?」
大型システムの説明会の例:
「ここまでご説明をさせていただいたのですが、私共のご提案に関して何かご意見やご要望、疑問点などございますか?」
人材紹介の例:
「ちなみに転職されるとしたらいつくらいをお考えですか?それとも、まだはっきりはしていない状況でしょうか?」
不動産仲介の例:
「駅からの距離やご予算といったところではどのような条件をお考えでしょうか?」
「この物件の他に気になった物件はございますか?」
テストクロージングで相手の意思を確認するメリットとしては
・相手が不要と考えている場合や関心が薄い場合には、不要な売り込みをしなくて済む
・相手の購買に向けた条件や疑問点、不明点を理解して整理することができる
・相手の意識を「もしも買うとしたら」という方向に向けることで前向きな検討をしてもらうことができる
・商談について「買う前提」ではっきりした話をした方が良いのか、「はっきりしていない」から強く勧めないで懸念点を確認した方が良いのか、等こちらの働きかけ方の判断基準になる
といった要素を挙げることができる。
テストクロージング自体は非常に重要な商談スキルではあるが、相手が関心もないのに「検討に向けたテストクロージング」をしても効果は薄い。
はっきりと「言質を取る」前に説明を聞いている顧客の表情や反応を伺い、その上で必要に応じてテストクロージングをかけることが重要である。