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USPとはUnique Selling Propositionの略語で、「自社の製品・サービスが持つ独自の強み」のことを指す。
カタログスペック上の目に見える形での「強み」だけでなく、その製品・サービスだけが顧客に提供できる価値を指すこともあり、この時にはUVP (Unique Value Proposition)という言葉が使われることもあるようだ。
1940年代初頭の米国テレビ広告の世界で使われ始めた言葉で、テッドベイツカンパニー社のコピーライターであるロッサー・リーブスが提唱した。
USPの中核をなす考え方は下記のようなものである。
1、CMは単なるメッセージや広告宣伝ではなく、消費者に対して「この製品を買うことでこういうメリットが訪れますよ、だから買ってください」という提案でなければならない。
2、その提案は競合他社が提供できない、独自のものでなければならない。
3、その提案は大衆を動かすのに十分な力を持つものでなければならない。
現在は、1940年代と比較すると多くの産業が成熟してきていて、簡単にUSPが構築できない状況にあると思われる。
USPを取り違えた失策は(CMや広告等の表に出ていないものも含めれば)大なり小なりどんな企業にも経験があるのではないだろうか。
また、元々が広告のコピーライターの提言であるとおり、製品・サービス、会社のキャッチコピーやメッセージとは相性がいい考え方であるものの、その実現段階において「言うは易く行うは難し」という状況になりやすい。
従って、優れたUSPを生み出すためには
・この製品・サービスを使う人、ターゲットの分析を入念に行う必要がある
・他社との比較を十分に行い、妥当性の高い提供価値分析を行う必要がある
・提供価値が本物になるように、組織的な体制づくりや一貫した信念のもとでの製品・サービス提供が行われる必要がある
これらの要素が複雑に関連してくるため、もはや広報担当職や販促企画職での努力、創意工夫に負うのではなく会社組織の戦略に関連する課題となってきている。
ビジネスの現場においてはUSPという言葉自体はそれほど聞かないが、営業職や販促企画職には顧客からの「この製品の強みは何? 特徴は何?」といった質問を投げられることが多く、それに対する備えが必要になるために、身近な概念であると認識すべきである。
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