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【TWI】

TWIはTraining Within Industryの頭文字を取った略語で、監督者対象の訓練のこと。
日本の産業教育や経営管理手法の歴史を紐解くと、源流的位置づけにあるテーマは敗戦後にアメリカからもたらされたものが多い。
その中でも「科学的管理技法(とその後のQC活動の展開)」「MTP(Management Training Program、管理職対象の原理原則論の研修)」「TWI」は、非常に多くの企業の中で熱心に実施された。
当時、労働省はアメリカ式の産業教育を日本で展開することに対して熱心に取り組んでいて、現在の日本の産業教育団体はその頃の流れをくむものが少なくない。

TWIは日本に持ち込まれて拡大していく中で日本流にアレンジされ、現在下記の4つのテーマを対象としている。

JI(Job Instruction)仕事の教え方
JM(Job Methods)改善の仕方
JR(Job Relations)人の扱い方
JS(Job Safety)安全作業のやりかた

現在、一般社団法人日本産業訓練協会(通称日産訓)や都道府県職業能力開発協会がTWIの研修を多数開催している。
アメリカでは戦後徐々にTWIは廃れていったが、1980年代以降、日本メーカーが世界を席巻し「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われるようになると、その発展を支えた技法として逆輸入された。
TWIはシークエンス(決まった手順があるもの)的な作業や業務には有効であるものの、高度な知識や判断を伴う業務や不定形に近い業務には不向きである、という批判が多かった。
しかし現在、アメリカでは医療をはじめ従来は不向きと言われていた業務へのTWIの活用が熱心に研究されているという。
日本で流行→アメリカに逆輸入のパターンとしてはQC活動とも似たプロセスをたどっているところが興味深い。

戦後にアメリカの産業教育手法を日本で研究、展開した人たちには「古い文化を壊して新しい文化を立て直す」「日本を復活させるために、日本を負かした先進的なアメリカのやり方を学んで使えるものは使い倒す」という強い使命感があったように感じられる。
こうしたアメリカ発の教育技法が取り入れられた結果、日本伝統の職人的な教育方法やKKDが悪者扱いされるようになってしまった心理的な側面がある。
しかし、現在も日本の産業教育を支える柱として存在感は衰えていないばかりか、もしかすると今の若手や新入社員に仕事を教え、戦力化して定着させていく上で重要なヒントを内包している可能性がある。
今後大きく注目される可能性のあるキーワードである。

※未来マネジメントでは「仕事の教え方研修」「OJTトレーナー研修」は承りますが、TWI研修そのものは取り扱っておりません。ご了承ください。

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