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BANT条件とは、Budget (予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の頭文字を取ったもので、営業のヒアリング項目やリード、または案件評価のランク分けの項目として活用されるものである。
営業、特にBtoBの大型商談の営業パーソンにとっては身近なものである。
しかし、必ずしも営業の管理項目として明文化されて整理されているとは限らない。
また、顧客側でBANT条件について目合わせができていないことも多いので注意が必要である。
営業場面では下記のような観点で整理されることが多い。
Budget (予算)
・高額商品であれば予算はあるのかないのか、ないのなら来期以降のいつになるのか
・価格面での納得度はどうか、高いか安いか
・競合はどのような価格戦略を打ち出しているのか
Authority(決裁権)
・決定権を持っているのはだれか、その人にきちんとアプローチできているか
・決定権を持っている人の他にキーマンになる人は誰か、その人にきちんとアプローチできているか
・それぞれの立場で納得できるようなプレゼンができているか
・決定権を持っている人のイエスは取れているか、競合との比較で優位に立てているか
Needs(必要性)
・購入の背景はどういうものか
・この購買は「あったらもっとよくなる、0をプラスにする性質のもの」なのか「ないと困る、マイナスを0にする性質のもの」なのか
・投資なのか保険なのか損失回避なのか
・購入に関する必要性は高いか低いか、優先順位は高いか低いか
Timeframe(導入時期)
・導入するのはいつくらいか
・購入の検討の時期として適切かどうか、他に優先順位の高いものが動いていないか
BANT条件がきちんと埋まっていて、こちらの提案との整合性が高ければ高いほど案件が決まる可能性は高まる。
また、それぞれの条件に対する納得度や顧客満足度がリピートや案件拡大につながるため、非常に重要な項目である。
さらに、BANT条件は重要なヒアリング事項であるだけでなく、相見積もり状態や顧客からの否定的なリアクションがあった時に論点になりやすい項目でもある。
そうした意味で、相手からの断りを返すプレゼンテーションを事前に考える切り口としても有効である。
※応酬話法の項目も参照のこと
一般的に、ある程度顧客側との人間関係や信頼関係ができていないと、こういった突っ込んだ話をするのは難しいとされている。
こうした話に持ち込むためにも、営業は展示会やキャンペーンといった規模のあるマーケティング施策や、「テストクロージング」「世間話」「クッション言葉」「応酬話法」といった個人戦術を活用することが重要となる。
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