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【レジリエンス(心理学用語)】

心理学におけるレジリエンスとはストレス、外圧、社会的な不遇状況、障壁等に対応する個人の能力、と定義されている。
もともとストレスもレジリエンスも物理学の用語であった。
ストレスは「外力、外圧によるゆがみ」を表現する言葉でレジリエンスは「外力による歪みを跳ね返す力」という意味で使われる。

例えばスポンジボールを握った時に歪むのがストレスで、そこからゆがみを跳ね返して修復していく力をレジリエンス、と理解するとニュアンスを理解しやすい。
これを精神医学や心理学の世界でも「ストレスに抗する力」「抵抗力または復元力」という意味で使うようになったのが現在人材開発の世界でも使用される意味でのレジリエンスである。
人間のストレスや精神性疾患は色々な要素が絡むため、自然にレジリエンスもカバーする範囲が広くなる。
例えばコルチゾールやセロトニンといった生態的因子も当然レジリエンスのカバー範囲の中にある。

人材開発の世界では心理療法の「ABC理論」のような“出来事に対する捉え方”のように心理学的なアプローチが現在のところ主流のようだ。
尚、アメリカ心理学会では「レジリエンスを築く10の方法」として下記の内容を提唱している。

1、親戚や友人らと良好な関係を維持する。
2、危機やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ないようにする。
3、変えられない状況を受容する。
4、現実的な目標を立て、それに向かって進む。
5、不利な状況であっても、決断し行動する。
6、損失を出した闘いの後には、自己発見の機会を探す。
7、自信を深める。
8、長期的な視点を保ち、より広範な状況でストレスの多い出来事を検討する。
9、希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する。
10、心と体をケアし、定期的に運動し、己のニーズと気持ちに注意を払う。

欧米企業で注目されたマインドフルネスもレジリエンスの力を高めるために有効な手段として注目されている。
健康で前向きな生活を送ることで仕事にも張りが出る、ということは昔から指摘されていたが、それは心理学的アプローチでも生態的因子のアプローチでも共通して重要であり、こういう基本的なことこそが一番重要、ということではないだろうか。

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