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メンタリングを行う人のことをメンターと呼び、メンタリングを受ける人のことをメンティと呼ぶ。
メンタリングとはメンティのキャリア発達を支援するための行動のこと。
もともとの語源はギリシア神話のエピソードに由来する。
イタケーの知勇に優れた王、オデュッセウスは古代ギリシャ世界最大の戦争「トロイア戦争」への参加を要請された。
戦争に参加すれば無事に帰れるかどうかの保証はない。
(余談だが、オデュッセウスはトロイア戦争では有名な『トロイの木馬』を発案して大活躍した。トロイア戦争の帰り道に多数の困難に巻き込まれ、
大冒険の果てに祖国に帰るまで20年の月日がかかっている)
そこで彼は友人のメントゥルに王子テレマコスを導くように依頼する。
オデュッセウスは女神アテナを信奉していたので、女神アテナは時にメントゥルの姿を借りてテレマコスを励ましたりアドバイスを与えたという。
この人名メントゥルがメンターの語源である。
企業の人材育成の文脈でメンターという時には「新入社員の良い先輩、相談役」という意味で用いることが多い。
また、単純に仕事を教えるというよりは「自走できるようになるまでキャリア発達、メンタル面をフォローする役割」
「企業に慣れて活躍するまでの伴走者」というニュアンスが強い言葉である。
注意しなければならないのは、
①メンターはあくまで『伴走者』である
②メンティとメンターの面談には守秘義務契約が発生する(と取り決めることが多い)
という2点である。
メンターは上司ではないので「指示命令」という直接的で強い強制力を働かせることはできないため、対話や会話を通してメンティのキャリア発達を支援する姿勢が望ましい。
また、メンターとメンティの会話は「ここだけの話」にしておかないと組織内で問題が発生し、こじれる原因となりかねないので注意が必要である。
近年、仕事を教えるOJTトレーナー制度の他にメンター制度を導入する企業が増加している。
この傾向は終身雇用制の崩壊や企業内の人間関係が希薄化など、会社に入る人、働く人の考え方の前提が変化していることが大きな要因とされている。
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