HOME » 人財育成資料室 » 人材育成キーワード » 【ポータブルスキル】

【ポータブルスキル】

ポータブルスキルとは、どんな職種、どんな環境でも活かすことのできるスキルのことを言う。
特定の業種や職種、時代背景に関係なく発揮できるスキルのことを指す。
ロジカルシンキング」「交渉力」「問題解決力」「プレゼンテーションスキル」といったものをポータブルスキルの代表格として挙げる人が多い。
逆に環境が変わると持ち運べないスキル、つまりその環境、その組織、その部署やその会社で活用できるスキルのことをアンポータブルスキルと言う。
社会人基礎力の項目を参照のこと

一般的なHR用語としてのポータブルスキルについては定義がいくつか存在していて、確立されたものが存在するわけではない。
厚生労働省(正確には、厚労省の委託を受けた一般社団法人人材サービス産業協議会による作成)では、「専門知識・専門技術」「仕事のし方(=現状の把握、課題の設定、計画の立案、課題の進行、状況への対応)」「人とのかかわり方(社外対応、社内対応、部下マネジメント)」という切り口でポータブルスキルを解説している。
また、ポータブルスキルの対になるものとして「適応可能性」を想定していて、「環境への適応のし方」「適応しやすい職場の特徴」を項目としてピックアップしている。

ポータブルスキルが注目されるようになった背景には、「終身雇用制の崩壊」「氷河期世代を中心とした非正規雇用者の社会問題」「人生100年時代を前提としたキャリア観の浸透」といったものがある。
そうした中で雇用の流動化を産業界全体で推し進めようとした時に、専門性の高い職種や経営層についてはヘッドハンティングが、若い社員については求人広告や人材紹介といったサービスが充実してきたものの、ミドル層についてどうしても手薄になっていた。
また、採用の判断基準についても専門性の高い職種や経営層については資格や実績が、新人や若手についてはポテンシャルが採用時の重要検討事項となる。
しかし、ゼネラリストのホワイトワーカーについては、サービスが不在なだけでなくこうした検討事項や判断基準になるものが乏しく、何らかの施策を行っててこ入れをする必要があった。
今後の日本の労働人口の推移を考えるとミドル層の雇用流動性を高める施策は必要であり、また人材サービスの提供側もこの層をカバーしないと限られたパイの食い合いが激化するため、厚労省と人材サービス産業協議会がその手薄な部分を補うべく研究を行い、バックヤードを準備してきた、というのが実態に近いようだ。

厚労省のホームページには2022年に入ってからポータブルスキルの見える化ツールがアップされ、以前からあった職業能力評価基準との連携が図られようとしているようである。
厚労省の定義は人材サービス業の人が活用することを前提としているため、企業の人事部にまでその影響が派生するにはまだ時間がかかると思われるが、こうした取り組みについては社会人基礎力同様今後も注目されていくものと思われる。

関連する研修⇒中途採用者研修

関連するカテゴリーの記事

社員研修・人財育成に関するご相談はお気軽に。

お電話でのご相談はこちらまで 03-6272-8570 受付時間:9:00~17:30
お問い合わせフォームでのご相談