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ブラック企業は違法行為、不法行為を行ったり、従業員に対して過重労働、過重ノルマを強いたり各種ハラスメントが起こるような状況が常態化している企業のことである。
2001年前後にネット掲示板の就職活動についてのページで「就職してはいけない会社」「離職率が高い会社」の議論が盛り上がっていたところに、法政大学就職支援課の「学生に紹介できない企業」のブラックリストがリークされ、「ブラックリストに掲載されている企業」という意味で「ブラック企業」という呼称が浸透していった。
2008年には「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」が書籍化及び映画化される。
また、2013年に「ブラック企業」という言葉が流行語大賞を受賞した。
この前後に小説「蟹工船」が注目されたり、部下を離職に追い込む「クラッシャー上司」「モンスター上司」といった言葉が浸透したり、また「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」の舞台がIT系企業だったこともあって「デスマーチ」等の言葉が広く知られることになり、ブラック企業の実態と情報は一般に広まっていった。
また、この書籍/映画によって新卒の「IT業界離れ」が起こったとも指摘されている。
ブラック企業は日本独特の雇用慣習にコンプライアンスを軽視する文化や経営者が強大な権力を握る構造、風土といった要素を併せ持つ企業に多く、そうした実態が従業員の自殺や訴訟、パワハラやセクハラ等の強制捜査が入ることで表面化することが多いとされている。
その一方で「~~社は内情はブラック企業である」みたいな噂はネット上の情報の常として「実態とかけ離れた批判」「うわさ話に尾ひれがついたもの」が出回っていることも否定しきれないため、情報に対するリテラシーと注意が必要である。
ちなみに、海外では劣悪な労働環境を強いる工場を指す言葉として「スウェットショップ」という言葉が存在した。
最近では「ブラック企業」という言い方も海外で少しずつ認知されるようになってきているという。(例えば中国では『黒企』という呼称が存在する)
ブラック企業に就職してしまうことは個人のキャリア、身体的/精神的健康といった面で大きなリスクになりうる。
他方、「ブラック企業」のレッテルを張られてしまうことは企業にとっても業績や採用面でリスクとなる。
企業と従業員の基本的な関係を法律に照らし合わせきちんと捉えなおした上で、定期的に社内を観察および分析する仕組み、体制を作り出すことがこういったリスクへの対処として求められている。
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