HOME » 人財育成資料室 » 人材育成キーワード » 【デール・カーネギー(人名)】
デール・ブレッケンリッジ・カーネギーはアメリカの作家、教師、自己啓発、セールス、企業研修のコース開発者。
代表作「人を動かす」や「道は開ける」といった著書で有名。
1888年、ミズーリ州の貧しい農家に生まれる。大学時代は苦学生だったという。
有名になるにはどうしたらいいか、と考えた結果弁論コンテストで活躍するようになる。
大学卒業後はセールスの仕事に就いた後、俳優になりたいと決意するも結局うまくいかなかった。
その後小説家を目指し、夜間は1912年からニューヨークYMCAでビジネスマンに向けて「話し方」をテーマに教鞭をとるようになる。
当時の授業内容は「話し方」の範疇だけに収まる内容でなかったようで、その授業で教えていた内容を基に1936年に代表作で人付き合いの方法論である「人を動かす」、1948年にお悩み解決の方法論「道は開ける」を発表する。
特に「人を動かす」は日本だけでも500万部突破の大ベストセラーで、一時期「聖書の次に読まれた本」というコピーを採用していた。
ちなみに「人を動かす」の原著のタイトルはHow to Win Friends and Influence Peopleであり「友人を得て人々に影響を与えるための方法」と訳したほうが本来のニュアンスに近い。
また、「道は開ける」もHow To Stop Worrying and Start Livingで「悩むのをやめて前向きに生きるための方法」くらいの意味である。
1955年死去。
日本で「自己啓発書」というと、道徳論や観念論しか書いてないのに安易に「この本を読み、その内容を実践すれば必ず成功する」といったことが書いてある本が多い。
結局本を読んだだけで安心してしまい行動に繋がらなかったり、そもそも行動化できない内容の本も少なくない。
また、「成功」という言葉について「お金が儲かること」位の軽率で硬直的な定義しかされていない本がほとんどである。
(ブロガー、コンサルタントの谷本真由美氏はこういった状況を『キャリアポルノ』といった造語で表現して批判している)
その点、自己啓発書の原流の一つでありながらカーネギーの本は重点が金銭の話ではなく、社会や人間への奥深い洞察と説得力の高い文章、そしてカーネギー自身も苦労人だったことから多くの人から共感され、高い評価を得ている。
一般的な「自己啓発書」の持つ空気にアレルギー反応がある人にも一度手に取っていただきたい本である。