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【タイムパフォーマンス】

タイムパフォーマンスは「使った時間に対する満足度」のこと。
コストパフォーマンスが「費用対効果」と訳されて「コスパ」と省略されるのに対して、タイムパフォーマンスは「時間対効果」と訳されて「タイパ」と省略される。

タイムパフォーマンスは今のZ世代(=2022年時点で17~26歳の世代を指すマーケティング用語)に顕著に見られる価値観の変化として注目された。
Z世代はコストパフォーマンス、タイムパフォーマンスを重要視する、SNSを使いこなす、失敗しないために複数のソースを持って情報収集する、SDGsへの興味関心が高い等の特徴を持っているとされている。
投下時間に対しての成果や満足度を追求するタイムパフォーマンスの考え方が広がった結果、ファスト映画等の動画が人気を博して、有料の動画サイトでは倍速再生やスキップ再生が標準の機能として搭載されるようになった。
ある調査によると、20代の半分近くが動画の倍速再生機能を利用しているとされている。

また、こういった変化は音楽の作り方にも大きな影響を与えたとされている。
曲を作る際にいわゆるイントロの部分はカットされてしまうのでどんどん短くなり、いきなりサビから始まる曲も増えているという。
あるインタビューでミュージシャンの小室哲哉氏は「自分が作曲家として活躍していた頃は1分30秒の間に良い部分を聞かせることが重要だった。それが今では15秒しか待ってもらえなくなっている」という趣旨の発言をしている。
若者に向けてコンテンツを作っている人たちにとっては非常に大きな価値観の変化だったようだ。
この観点は新入社員研修のコンテンツ作成にも重要なのかもしれない。

タイムパフォーマンスの追求はスマートフォン、動画再生サイト等の製品やサービスが世の中に浸透した結果の現象であり、それは世の中の技術の進化に合わせた「消費者側、人間側の進化」であって決して悪ではない、という論調が多く見られる。
その一方で、こうした状況は「テレビがテロップだらけ」「ライフハックのような安易なテクニックが流行る風潮」といった形で以前から存在していて、決してZ世代だけの特徴ではないという意見も存在する。
タイムパフォーマンスと言えば前向きかもしれないが、情報の収集、理解、分析に対する感覚がインスタントになってきているという捉え方もできるのかもしれない。

タイムパフォーマンス重視の考え方が善か悪かは置いておくとしても、人財開発の文脈でZ世代と「タイムパフォーマンス」について考えるのであれば「どうやって早く長期的な視野に立ってもらうか」は重要な観点となってくるだろう。
どんなに時間への意識を高めても、人間が能力的に習熟するには時間がかかることは間違いない事実であるため、この部分の認識の共有化をどう図るかというのも重要な課題になると思われる。

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