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環境保護や介護、子育て支援、まちづくりなど顕在化している社会問題をビジネスとしての事業活動で解決する取り組みをソーシャルビジネスと呼ぶ。
バングラデシュの貧困問題の解決にマイクロクレジットで取り組んでいるグラミン銀行の創始者、ムハマド・ユヌス博士が提唱した概念であり、比較的新しい考え方である。
ユヌス博士はバングラデシュの貧困問題を前にして「自分が学んできた経済学を国家の問題解決にどうにか役立てられないだろうか」と考え、1983年にグラミン銀行を設立、マイクロクレジット(=貧困地域の人に少額のお金を貸し、受け取った人がそのお金を元手にビジネスを行ってそのお金を返済する)というビジネスモデルを収益化した。
現在、グラミン銀行は世界中に2568支店(2017年現在)を持って活動し、グラミン銀行とユヌス博士は2006年にノーベル平和賞を受賞した。
ソーシャルビジネスは
の3つの要素を満たしていることが条件とされている。
従って単純な「公共事業の受託」や本業以外の位置づけで行われる「企業のCSR活動」とソーシャルビジネスは区別される。
各国政府、自治体、コミュニティ、企業家等から今後大きく発展していくことを期待されている考え方である。
日本でも渋沢栄一の「論語とそろばん」で書かれたことや二宮金次郎の「道徳なき経済は暴力であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉、近江商人の「三方よし=買い手よし、売り手よし、社会よし」というビジネス道徳の言葉がある。
これらの「商売にも道があり、商人道というものがある」という考え方とソーシャルビジネスの基本的な考え方には通じるものがあり、その根本には「経済活動における会社の志を単純な金儲け主義に矮小化してはならない」というポリシーがある。
日本でも古くて新しい、なじみやすいテーマといえるだろう。
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