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ジョブ・クラフティングは、働く人が仕事の再定義や捉え直しを行い、取り組み方を前向きなものにするやり方や考え方のこと。
仕事に対するリフレーミングと位置付けることができる。
米イェール大学経営大学院のエイミー・レズネスキー准教授とミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授が提唱した。
イソップ童話で3人のレンガ職人の話が非常に有名である。
その内容は下記のようなものである。
ある旅人が道を歩いていると、3人の職人がレンガを積んでいるのを見かけました。 それを見て、旅人が1人の職人に聞きました。
「何をしているのですか。」
Aの職人:「見ればわかるだろう、レンガを積んでいるんだ」
先ほどの職人より元気にレンガを積んでいる職人を見かけましたので、同じ質問をしました。
Bの職人:「ここに大きな壁を造っているんだ」最初の職人と違い、テキパキとレンガを積んでいました。
さらに先に、イキイキと働いている職人を見ました。重そうなレンガを運んでいます。その職人にも同じ質問をしました。
Cの職人:「俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだ!」
ジョブ・クラフティングとは、端的に言えばCの職人の意識や意欲を持ってもらうための方法論である。
そのためには「業務に対する取り組み姿勢」「人間関係への意識と関わり方」「仕事の意義や目的の再定義/落とし込み」の3つの観点で見直しをすることが重要な要素になる。
また、ジョブ・クラフティングのプロセスとしては
①業務分析と自己分析
②自分自身の能力分析/強み分析
③仕事に対する具体的な創意工夫や改善案を検討する
④周囲との関係性や関わり方の見直し、意見や反応の確認
⑤継続的な取り組みを通して成長へつなげる
といったものが挙げられる。
企業の人材育成の文脈では、新入社員フォロー研修で簡単なキャリア研修のような内容や目標設定を行う企業が多いが、そこをより強化する材料としてジョブ・クラフティングのやり方や考え方を導入する研修は少なくない。
本来海外から輸入されたものであるキャリア研修は、雇用の考え方や仕事の捉え方の根本の部分に旧来の日本企業の考え方とは違うものを抱えていて、突き詰めると転職を否定していない内容となっている。
こうした状況を踏まえるとジョブ・クラフティングの方が、企業が行う研修としてはより的確なものなのかもしれない。
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