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【ケネス・アンドルーズ(人名)】

ケネス・アンドルーズは、ハーバードビジネススクールの教授で「戦略プランニング手法」を世の中に広めた功労者として知られる。

1916年生まれ、第二次世界大戦中は陸軍のために統計学を学ぶ。
30歳でハーバードビジネススクールの教員となり、34歳の時に「ビジネスポリシー」講座の改訂メンバーになる。
「ビジネスポリシー」講座はバーナードドラッカーアンゾフといった有名な経営学者が提唱したコンセプトをアンドルーズら改訂メンバーが統合し、新しい手法を追加する形で企画された。
結果、このビジネスポリシー講座は学生からの高い支持を得て大人気講座となった。
ちなみに、ポジショニング派の経営学教授マイケル・ポーターはこの授業を受けたOBである。
1965年に代表的著書である「ビジネスポリシー」を出版する。
この本は多くのビジネススクールで教科書として採用され、アメリカのエグゼクティブの一般教養、共通言語となった。

ケネス・アンドルーズはこの本の中で、ビジネスポリシー=事業方針を「企業のミッションや目標など根本的なイシューに対して基本的なフレームワークとガイドラインを与えること」と定義し、企業戦略を作るためのプロセスを「外部環境分析」「内部環境分析」「戦略構築」「実行プラン」という形で具体化した。
アンドルーズが広めたものの中で代表としてはSWOT分析が挙げられる。
SWOT分析は、当初スタンフォード大学のアルバート・ハンフリー教授が企業のプロジェクトの失敗を分析するツールとして提唱したものをアンドルーズが整理したものである。
ちなみにハンフリー教授はSOFT(Satisfactory、Opportunities、Fault、Threats)分析と呼称していた。
SWOT分析は2008年の時点でも7割以上の企業が戦略立案に採用していたと言われている。
最新の調査は発見できなかったが、十分に現在でも通用しているツールである。

アンドルーズは企業戦略の立案プロセスを提示したが、究極のところ事業戦略は機械的に定型化できないアート=人が作るもの、芸術的なものであるとしていた。
現在でも「ヒット商品を作る法則」のような本が本屋の棚を飾ったり、テレビ番組で取り上げられることがあるが、その多くはただの広告だったり後だしじゃんけんのような内容にすぎなかったりするので、法則と呼ぶほどの具体性や原理原則性は見られない。
「その企業の勝ち筋」はその企業の置かれた環境やそれまでの歴史によっても違うが、それを立案する人によっても違っているものだ、という考えがアンドルーズの本質的なスタンスだったようだ。

三谷宏治「経営戦略全史」より引用 筆者が一部加筆

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