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【クロノロジー分析】

クロノロジー分析は、何らかのテーマについて時系列に沿って事実情報のデータを収集し、その分析を通して将来的な予測を行う手法のこと。
マーケティングや顧客分析、問題解決、未来予測等で幅広く活用される手法である。
特に国家の防衛に関連するインテリジェンス機関では一般的な手法になっているようだ。

インテリジェンス機関では、仮想敵国や周辺国の出方を予測するために活用されることが多く、クロノロジー分析こそが情報分析の王道という情報分析官も多い。
敵国Aのこれまでの活動等を時系列に沿って分析することで、今後の仮想敵国の出方や我が国を取り巻く潮流といったことを理解できるようになる。
クロノロジー分析を行うには「虫の目=小さな部分の変化を捉える目」「鳥の目=俯瞰視点の分析」「魚の目=潮の目を読む分析」を持ち、それぞれの視点を行ったり来たりして分析と整理を繰り返し行うのがセオリーとされている。

クロノロジー分析の進め方としては

①情報収集(まずは大量の情報データを用意する)
②分析を行うテーマに即して情報を絞り込む
③絞り込んだ情報を分析する中で「問い」「検討/分析するべきテーマ」を設定する
④設定した「問い」「検討/分析するべきテーマ」に即して情報を整理する
⑤登場人物ごとの視点に立ってデータを再整理して分析を行う

このように、「拡散⇒収束」の順番で行う点は多くの発想技法や問題解決技法と似ている。
また、整理や分析しているうちに見えてくるものを成果物に加えて加工を繰り返す点ではKJ法にも通ずるものがある。

クロノロジー分析に限らず、多くの未来予測技法を使用する上で重要なのは「人間は神様ではないので未来予測は外れて当たり前」という考えを持ちつつ、それでもノープラン/ノーアイデアは最悪の事態を招くのでできる限りの準備はしっかりと行うこと、とされている。
また、AIの発展は目覚ましいが、そうしたツールを活用して得られる回答は即陳腐化するものであるため、人間の手で未来予測を行うことが重要とされている。

こうした未来予測技法は、企業で行われるマーケティング分析や市場分析、業界分析等と非常に相性がよく、一脈通ずるものを持っている。
欧米ではこうしたインテリジェンス技法をビジネスで積極的に活用する動きが加速していると言われている。
例えば営業職にとってはアカウント分析の際、顧客への仮説やインサイトの構築時に威力を発揮する。
今後、日本でもこうしたインテリジェンス技法の研究から新しい使用方法や経営技術が生まれることが期待されている。

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