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クレイトン・クリステンセンはHBS(ハーバードビジネススクール)教授でイノベーション論の第一人者である。
1952年、アメリカユタ州ソルトレイクの貧しい地区のモルモン教徒の家に8人兄弟の第二子として生まれる。
ブリガムヤング大学を首席で卒業後、オックスフォード、ハーバードで経営学を学ぶ。
学生時代には203㎝の高身長を活かしてバスケットボールをやっていたという。
1979年から1984年までボストン・コンサルティング・グループに在籍して製造業のコンサルティングに従事する。
1992年からハーバードビジネススクールの教員となる。
1997年に代表作「イノベーションのジレンマ」を出版。破壊的イノベーション論を確立する。
2000年にはイノベーション専門のコンサルティング会社イノサイトを共同で設立する。
2020年1月23日に67歳で死去。
クリステンセンはその代表作「イノベーションのジレンマ」で大企業がなぜ新興市場への参入に出遅れるのかについて論じた。
クリステンセンによると、イノベーションには既存製品やサービスを継続的に改良し続ける「持続的イノベーション」と、既存商品の価値を破壊してしまう「破壊的イノベーション」が存在する。
そして、多くの企業では「持続的イノベーション」が事業の屋台骨であるため、そちらを重視することが多く、事業内での既存技術と破壊的イノベーションを比較した時に事業の食い合いが起こると判断し、破壊的イノベーションが軽視されるのである。
結果他社に出遅れるだけでなく、他社によって破壊的イノベーションの商品やサービスが育った後に既存の優位性が崩壊し、結果地位を失ってしまう。
コダック社のデジタルカメラが代表的な事例として挙げられる。
実はデジタルカメラを最初に開発したのはコダックの技術者だったが、社長はデジタルカメラに対して
「面白い。でも決して口外するな」と言ったとされている。
その後、紆余曲折を経てコダックは市場の変化についていけなくなって2012年に経営破綻した。
クリステンセンの著書はシュンペーターやドラッカーのイノベーション論の成果を引き継ぎつつ「なぜ大企業がイノベーションに乗り遅れるのか」という、考えようによっては古くて新しい切り口で論じ、結果としてイノベーション論で最も有名な経営学者となった。
その一方で時にはイノベーションの予測を外すこともあった。
スティーブ・ジョブスはクリステンセンに大きな影響を受けていた一方、クリステンセンは「アイフォンは複雑なので売れない」と評価していたと言われている。
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