HOME » 人財育成資料室 » 人材育成キーワード » 【オーセンティック・リーダーシップ】

【オーセンティック・リーダーシップ】

「authentic」とは「本物の」「正真正銘の」「信頼できる」を意味する英単語。
「オーセンティック・リーダーシップ」はどこかから借り物のリーダーシップ論を持ってくるのではなく、自分自身の本来の「自分らしさ」を活かして発揮するリーダーシップを意味する。
アメリカの最先端医療技術企業のメドトロニック社の元CEO、ビル・ジョージ氏が提唱し、ハーバードビジネスレビューに論文が掲載されたことで広く知られることになった。

オーセンティック・リーダーシップが生み出された背景にはVUCA環境があると言われている。
※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉。目まぐるしく変転する予測困難な状況を意味します。
現代の企業が置かれた環境は、一人のリーダーがトップダウンで指示を出すスタイルでは状況判断の面で限界がある。
そもそも企業という組織も業界も社会動向も抽象的かつ複雑であるため、その中で方針や目的、目標を打ち出していく上では人間一人の認知能力ではカバーできない。
そのため、目指す方向を明確に指し示し、メンバーと共に課題を乗り越えていく「コア・バリュー(価値基準)」を打ち出し、説明して周囲と上手に協業する力が重要となる。

オーセンティック・リーダーシップを発揮するためには主に次の5つの行動要素が必要となる。
1、自身の目標・目的を明確に理解する
2、自身の価値観・倫理観に基づいて行動する
3、真心や情熱を持ってチームをリードし、目標の達成を追求する
4、周囲と建設的で良好な信頼関係を構築し、支援し合える
5、自身の価値観や倫理観を守るために自らを律し、常に学び続ける

また、オーセンティック・リーダーシップとしてはそのための準備にあたる際に下記の4つの能力開発に取り組むことが大切とされている。
①自身の特性・強みや弱みを理解する
②自分自身の弱みをチームのメンバーに開示する
③メンバーと良好な関係を構築する
④自身の行動を常に振り返る

オーセンティック・リーダーシップは固定的なリーダーシップを否定し、自分自身が成長し続けることを要求する。
これまでのリーダーシップが性格、能力、行動特性において確立したものがあるという前提の中で語られていて、本人と乖離のあるキャラクターを演じることを期待されていた。
そうした意味で「方向性はブレない」が非常に柔軟性のある考え方であり、非常に現代的なリーダーシップの考え方と言えるだろう。

関連する研修⇒管理職対象支援型リーダーシップ

関連するカテゴリーの記事

社員研修・人財育成に関するご相談はお気軽に。

お電話でのご相談はこちらまで 03-6272-8570 受付時間:9:00~17:30
お問い合わせフォームでのご相談