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【ストレッチ・アサインメント】

ストレッチ・アサインメント(stretch assignment)は、仕事の担当を割り振る(assign)または目標を設定する際に、本人の成長と責任感および成功体験の獲得を期待して高い職務や目標数字へチャレンジさせるマネジメント手法のこと。
目標設定は少し背伸び(stretch)をすると届くくらいのものが丁度いい、とされているためにこの名前が付けられた。
アメリカの組織心理学者エドウィン・A・ロックが提唱した「目標設定理論」を核として、近年MBO(目標による管理)や1on1ミーティングを行う際に重要な概念として理解されている。
タフ・アサインメントと呼称する場合もある。

一般的に目標を持たせる際には、前提となるものとして

①本人がその目標に取り組むことについて受け入れている
②目標がはっきりしている、明瞭である

ことが重要である。
その上で目標設定の考え方としては

③簡単すぎる目標や既に達成した目標には前向きなやる気や創意工夫が出にくい
④逆に高すぎる目標もやる気を奪う

ということを理解しておくことが重要であると言われている。
ちなみに、最も成長に繋がって最も本人がやる気をだすのが現状に対して105%~110%の目標である、とも言われている。
④に対する配慮がなく、また①についても「押し付け」になると「ブラック企業」「やりがい搾取」になる恐れがあるので注意が必要である。

ストレッチ・アサインメントを行う際に重要なのは

①本人の力量の分析と目標の難易度の分析
②適切な介入(本人の成長の機会を奪わないような介入)
③1on1ミーティングなどでしっかりと進捗を管理する仕組みが機能していること

の3点が重要である、と言われている。
特に②に気を付けないと結局「上の人がやってくれるのをあてにしてしまう状況」になってしまい、本人の成長、責任感、成功体験の獲得は期待できない。
また、③がないとただ単に無茶ぶりをしただけ、という状況になってしまいかねない。

目標とモチベーションの関係についての心理学研究は長い歴史を持っていて、心理学研究の中で一大ジャンルと言って差し支えないほどの蓄積がある。
その一方で、近年の研究ではモチベーションの構成要素の一つと考えられる「意志力」は「筋肉」のようなもので、使い続けると消耗/減衰することも分かってきている。
オバマ元大統領が禁煙に失敗したエピソードが代表的で、オバマ元大統領ほどの強い意志力を持っている人物でも、たえず自制を求められると精神力が削られて感情や行動の制御が効かなくなる、と言われている。
ここでポイントになるのが「休ませる」ことの重要性である。
例えばダイエットの時に「チートデー(何を食べてもいい日)」を設けて「休ませる」ほうがダイエットは長く続きしやすくなるようである。
モチベーション理論にも新しい研究結果が出てきているようだ。
そもそも人間は機械のように「こう扱えばうまくいく」「こういう目標を与えれば自ら働く」というほど単純なものではない、ということなのかもしれない。

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