HOME » 人財育成資料室 » 管理職実践講座 » 5.ノンパワハラ・マネジメントの勧め④
パワハラに限らずハラスメント全体に対して厳しい目が注がれるようになっています。こうした変化に戸惑う管理職も多いと思いますが、はっきりと認識しなければならないことは「時代は変わった」ということです。
また、パワハラの勉強をして、あれはダメこれもダメとNGワードやNG対応を覚え込むだけでは、本当のパワハラ対策にはなりません。こうした学習の後によく出てくる言葉は、「今までは問題にならなかったのに、やりにくくなった」「要は受け手の問題だろう」「これでは仕事なんかできないよ」等々。これらの言葉は、基本的な認識や過去の体験からくる価値観は変わっていないことを意味しています。
認識や価値観を変えるのは難しいことではありますが、しかしここを変えないと、本当のパワハラの防止にはならないということもまた、現実に指摘されていることなのです。
とすると、パワハラ防止のためには二つの視点を持たなければならない、ということにつながります。ひとつは、もちろん「管理職自身の問題(個人の問題)」としてとらえることです。もうひとつは「組織の問題」としてとらえるということです。
現在のパワハラ防止策の実現のためには「組織として学んできたことをいかに棄てるか」が肝になります。つまり、組織として、管理職として「アンラーニング」が求められています。アンラーニングとは、一度学習した知識や価値観を棄て、新たに学び直すということです。現在のハラスメントの悪循環を断ち切るには、これまで伝統的に体験してきたことや学んできたことを一度棄てるということです。
よく言われる「ハラスメントを受ける側にも問題がある」という主張は、過去の伝統的価値観の延長線で考えることから出てくる価値観であり、過去の体験の肯定感を棄て去ることができないことから出てくるものだといってよいでしょう。
「過去はこうだった」「このぐらいのことは普通だった」などを棄て、「今はこうなんだ」を学び直すことが大切なのです。個人も組織も。
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