HOME » 人財育成資料室 » 管理職実践講座 » 5.ノンパワハラ・マネジメントの勧め③
パワハラだと訴えられ、パワハラだと認定されれば、管理職自身がこれまで積み上げてきたキャリが終わってしまうということです。過去においてはパワハラを起こしても、マアマア、ナアナア的な解決法で済ませてきたところもあるようですが、これからは基準に照らして厳密に判断・対処していくことが当然求められてきます。管理職自身が自分でキャリの終了を招くことがないように気を引き締める必要があります。
パワハラによる「負の影響」は大きく3つのところに及びます。
①パワハラを受けた従業員が心身の健康を害し、休職に至ったり、場合によっては退職やその後も健康を害したりすることで働けなくなってしまうということが考えられます。
②職場環境の悪化が考えられます。雰囲気はもちろん、自由な発言ができなかったり、働く意欲がわかなかったりしてさらにやる気をなくし、能力を十分発揮できなくなってしまうことなどが考えられます。
①職場のモラールの低下により、生産性が低下し、業績が悪化することが考えられます。
②いじめ・嫌がらせが原因で従業員が休職したり、退職等で人材が流出したりする可能性があります。これらはケースによっては事業の継続が問題になりかねません。
③被害者やその親族などから訴訟が起こされ損害賠償を求められ、大きな負担が生じる可能性があります。場合によっては会社の業績にも影響しかねません。
④裁判になれば、「○○事件」として名前が残り、ネットなどで広がるばかりか、従業員を大事にしない会社などの噂が広がり、採用にも影響が出かねません。企業イメージが悪化する可能性があります。
パワハラの加害者は、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。パワハラによって被害者が精神疾患などに罹患し休業した場合には、その治療費を支払う必要がありますし、慰謝料を支払う義務を負います。また、パワハラの加害者は、会社から懲戒処分を受ける可能性があります。
①パワハラの加害者は、民法の不法行為の責任を負います。パワハラ行為は、加害者の故意過失にもとづく違法性のある行為なので、被害者が被った損害について賠償責任が発生します。
少なくとも慰謝料の支払いが必要になりますし、被害者がうつ病になって働けなくなったら治療費や休業損害も補償しなければなりません。
さらにパワハラによって被害者が休業・退職をすることになり収入が減少した場合には、減少した額の給料を損害賠償として支払う必要があります。
被害者が自殺するなどの事態を招いたりした場合には、逸失利益や慰謝料の額が極めて高額になります。
②暴力や暴言などのパワハラ行為の違法性が強い場合には、加害者に刑事上の責任が発生するケースもあります。
たとえば、上司が部下に対し、胸ぐらをつかんだり殴ったりしたら暴行罪や傷害罪になりますし、名誉を傷つけるような発言があった場合には、侮辱罪や名誉毀損罪が成立します。
また、被害者は告訴することが可能であり、検察が加害者の行為が犯罪になると考えれば、起訴されて刑事訴訟となり有罪判決を受けるケースもあります。
③パワハラの加害者は、会社によって懲戒処分を受ける可能性があります。
具体的な処分内容は就業規則に定められていますが、最悪の場合には懲戒解雇となります。
※未来マネジメントのパワーハラスメント対策コンテンツについては、下記リンクをご覧ください。