HOME » 人財育成資料室 » 管理職実践講座 » 2.管理職の座標軸(役割コンセプト)とは何か①
日々のマネジメントを担う管理職の「想い」は、常に「目的」の大小やそれに対する「関心」の強弱などの影響を受けて揺れ動いているものです。
例として、よく言われる「不振営業マンに効く最高の薬は、業績だ」という言葉の意味を考えてみても、不振続きの時の一件の受注成功は、営業マンにとって最大の「意欲」増進剤となります。その受注が何回か続き、期待感が高まるとともに意欲が膨らんでくると、不思議と人は目的の達成に向けた思考回路が動き出し、積極的に行動しだすものです。
ところが売れない営業マンは、それとはまったく逆の行動をとります。意欲が萎えてくると、「どうせ出かけても骨折り損だよ」と期待感も湧きません。関心が薄れてきて、目的すらボンヤリしてしまいます。いわゆる、目標があっても責任目標値がない状況になってしまうのです。中には、今日1日の行動予定すら組めなくなるケースもあるのです。
こうしたことは、管理職にも同様にあてはまります。たとえば、今期業績見通しが読める間は非常に意欲的で、部下の相談にも的確に答え、先のヨミにも鋭さがあった管理職が、見通しが立たなくなった途端に、部下の質問に即答できなくなってしまった、明確な指示を出せなくなってしまったケースもあります。難解な状況や危機的な状況に置かれてしまったために、先を見通すことができなくなり、達成に向けた「意欲」が萎えてしまったからなのです。
そうして、自分は管理職という立場にありながらも、マネジメントに対する責任意識が薄れてしまい、直面している問題も絞り込めず、どこから手を打つべきかの施策さえも打ち出せなくなってしまうのです。
座標軸とは、管理職としての立ち位置がどこかを明確に自覚するということです。
管理職としての自分の立ち位置を間違って捉えていたのでは、本来役割と責任を果たすことができません。
立ち位置を表現したものが「役割コンセプト」
役割コンセプトは、「上にも下にも、他部門のマネジャーにも任せられない、管理職として自分にしかできない仕事の本質的機能」 と定義づけることができます。