HOME » 人財育成資料室 » クレーム解決塾 » Ⅱクレームの発生原因を考える
ガス機器設備のA社に給湯器を取り付けたお客様から電話が入りました。
お客様
「一昨日、取り付けた給湯器の側面にキズとへこみがあるけど、オタクは不良品を新品として売っているの? 早くなんとかしてちょうだい!」
A社事務員
「そうですか。たいへんご不快な思いをさせて申し訳ございません。至急、担当者に対応するように申しつけます」
お客様
「おまけにお風呂の追い焚きも作動しないのよ。高いお金かけているのに冗談じゃないわ!」
A社事務員
「それはお困りですね。ご不便をおかけして申し訳ございません。その件も合わせて担当者から連絡させますので、少々お時間をください」
この一件、お客様は事務員の電話応対には格別の不満もなく、担当者からの連絡を待つことにしました。しかし、いくら待ってもその日に担当者からの連絡はありませんでした。お客様は「至急」という事務員の言葉を信用していただけに、怒りのボルテージは上がるばかりです。
担当者から連絡が入ったのは翌日の午後で、しかも現調に訪れたのはそれから2日経ってから。さらに給湯器の取り替え工事は2週間後になるとのこと。お客様は担当者を責めるのですが、「忙しくて遅れています。すみません」の一点張りで、とうとう怒り心頭に発しました。
小さなクレームが大きなクレームに発展したことは言うまでもありません。
1.ここで、この間のお客様側の「心情」を推理してみましょう。
等々、疑心暗鬼も加わり、不満が増幅したのです。
2.クレーム対応の遅れは、二次クレームを発生させてしまいます。
一次クレームは、製品にキズとへこみがあることと、風呂の追い炊き不能でした。お客様はそれらの不具合について不満ではあるけれど、その後の対応がしっかりしていれば、激怒することはなかったでしょう。
しかし対応のまずさが二次クレームを引き起こしました。販売側の対応の遅れという姿勢が問われたのです。
今度は、A社側の言い分を聞いてみましょう。この件に対してどのように考え、どのように対応しようとしていたのでしょうか。
(後編に続く)